【第3話】カリフラワーとぼくたちの話
今日もまた8時35分に改札口を通過し、会社の出入り口に42分に到着した。いつも通り。
チェスターコートを羽織ったカリフラワーが足を組んで澄ましているロゴを見たことはないか?
ーーそう、それさ。おちゃめだろ?
ところで、人間とカリフラワーは似ている。
我々がラヂオ体操をするように、奴らはカップヌードルにお湯を多めに入れるし、
我々が青信号で歩き出すように、奴らは“月曜日のめざましジャンケン”と“サザエさんのジャンケン”の勝敗に心を弾ませる。
人間と植物であるにも関わらず、あまりに似通っていている。その類似性は、しばしば俺の頬を淡く染め上げ、小さなくぼみを形作るのだ。
今日もこのエクボで奴らを休憩させてやろう。