腹の足しにもならない話

28歳OL男です。お尻が2つに割れているタイプの妖精さんです。

【第3話】カリフラワーとぼくたちの話

 今日もまた8時35分に改札口を通過し、会社の出入り口に42分に到着した。いつも通り。

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 ここは「Interdental Brush Fund Center(歯間ブラシ基金センター)」。傷ついたカリフラワーを保護し、治療を行う非営利組織だ。
 
 チェスターコートを羽織ったカリフラワーが足を組んで澄ましているロゴを見たことはないか?
ーーそう、それさ。おちゃめだろ?
 

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 ところで、人間とカリフラワーは似ている。
 我々がラヂオ体操をするように、奴らはカップヌードルにお湯を多めに入れるし、
 我々が青信号で歩き出すように、奴らは“月曜日のめざましジャンケン”と“サザエさんのジャンケン”の勝敗に心を弾ませる。
 
 人間と植物であるにも関わらず、あまりに似通っていている。その類似性は、しばしば俺の頬を淡く染め上げ、小さなくぼみを形作るのだ。
 
 今日もこのエクボで奴らを休憩させてやろう。